772 『ムシクイ』のDVDをコミックマーケット90で販売

『ムシクイ』DVDジャケット

昆虫食ドキュメンタリー『ムシクイ』のDVDがまもなく開催されるコミックマーケット90で販売されます。前回の冬コミでも販売したDVDと同内容ですが、今回は、DVDに登場する人物や昆虫料理に関する解説を収録した小冊子が付録となる予定です。

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昆虫食ドキュメンタリー『ムシクイ』DVD
監督・撮影・編集:伊藤弘二
収録時間:80分
登場人物:内山昭一、ムシモアゼルギリコ、佐々木孫悟空 他
頒値:1200円(予定)
予告編:https://www.youtube.com/watch?v=QxKHGrfN4w0
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サークル出店情報は下記のとおりです。
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サークル名:雷鳴舎
日時:2016年8月14日(日) 10時~16時
場所:東京ビッグサイト 東地区 ”ペ” ブロック 58b
コミケWebカタログにてサークル情報公開中
https://webcatalog.circle.ms/Circle/12324860/
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498 関西映画祭EIZO FES

関西で映画作家をしている八十川勝さんから以下のお知らせがきました。関西在住の方はぜひご参加ください。
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関西で行われる映画祭EIZO FESに、映画を出品しております。
10月15日、16日にEIZO FES PART15 http://eizofes.com/ が行われるのですが、今回、私は昆虫料理をテーマにした作品を出品したいと考えております。
EIZO FESは、特に昆虫料理に興味のある方の為の映画祭ではなく、普通のインディーズムービーの為の映画祭なので、今回の作品のテーマとしては、昆虫料理を全く知らない人々に対して、昆虫料理を特異なものとして表現するのではなく、日常の自然な光景として、認知される様な作品を作りたいと考えております。
まだまだ、盛り上がりの少ない関西での昆虫料理を盛り上げて行く事を目的として、制作します。
今回、この映画に出演、制作協力していただける方を大募集しております。
大まかな内容は、食材の採集、調理、食事会、感想の様な流れで、ドキュメンタリーとして、撮影したいと思います。詳細はお問い合わせください。
興味のある方は、気軽に、win_80river@i.softbank.jp
ヤソカワまで、連絡ください。

219 『いのちの食べかた』を見る

 『いのちの食べかた』(原題:OUR DAILY BREAD、監督・撮影:ニコラウス・ゲイハルター、2005年、オーストリア・ドイツ)を見る。ちょっと邦題が意図的であまり好きになれない。映画を見終わってもその気持ちは変わらない。もっと原題にそって『日々の食物はいま…』ぐらいがノーマルでいいのではないか。ナレーションを全く入れない監督の意図からはずれる邦訳である。
 昨年の正月に見た『ダーヴィンの悪夢』とは対極にある手法でありながら、じつのところやはり食のグローバル化を問うていることに変わりはない。牛、豚、鶏、魚、パプリカ、リンゴ、トマト、キャベツ、アーモンド、ひまわりなど、我々が日々口にする食べ物の生産・加工の現場が淡々と映し出される。なんら機械生産工場と変わらない無機質な職場、マニュアル化された仕事、無表情な作業員、そこには生き物を育み収穫する喜びは微塵もない。
 日本の食糧自給率が40パーセントを下回った(らしい)。この映画を見るとそれも頷ける。莫大な人口を養うには農業も畜産もベルトコンベアーにのせるしかないのだ。そうしなければ効率が悪く利益がでない。政府はじめ識者は「困った困った」の大合唱だ。輪廻転生の国日本でそれができるか。いみじくも「いのちの食べかた」という邦題が日本人の深層心理を物語っている。欧米人は食事の前に「いただきます」というだろうか。
 ひるがえって虫を食べるのも「いのちをいただく」行為にほかならない。現代に生きるわれわれは普段屠畜処理をなかなか目にできない。パック詰めされた肉のパーツを買って食べるだけだ。虫を取って調理して食べることでそれを実感できる。そこで提案だが、昆虫食を学校の授業に組み入れたらどうか。昆虫が豊富な日本だからこそできる「いのちの食べかた」がそこにある。

137 映画『どろろ』を観る──どろろはやはりタガメを食べていた

映画『どろろ』を見る。柴咲コウ扮する野盗“どろろ”が、タガメを食べるシーンを確認するのが主な目的だった。こんな変な目的で『どろろ』を見るのは私ぐらいかもしれない。
どろろはやはりタガメを食べていた。四十八カ所に散らばった肉体を取り戻そうとする百鬼丸との衝撃的な出会いの後、どろろは運命的なものを感じて旅を共にすることを決意する。そして小川のほとりで休息するシーンが続き、河原に座ったどろろがやおらふところから出した巾着袋の紐をゆるめる。「でるぞ、でるぞ」という私の期待に違わず、袋から取り出したのは紛れもないタガメそのものだった。バリバリという咀嚼音が館内に響く。ほんの数秒のカットだったが、どろろの性格を印象づける場面だったように思われる。
ほぼ一年前のことだが、正確には2006年2月15日付けで、『どろろ』の製作スタッフからメールが届いた。手塚治虫の『どろろ』の実写映画を作っているという。その中でどろろが虫を食べる描写のシーンがあり、食べられる虫として、タガメ、フナムシ、サソリを候補に探しているがなかなか見つからない。入手方法などを教えてほしいというものだった。いろいろあったが、最終的にはタガメに落ち着いた。外見がいかにも怪獣っぽく怖そうだし、まるごと頬ばれる大きさだし、なにより入手がしやすい。完成した映画を見た知人から確かにタガメだったと聞いてはいたが、実際にこの目で見てみたかった。
映画を見てやはりタガメで良かったと確信した。第一に、どろろは海を一度も見たことがないのにフナムシはないだろう。サソリにしても棲息地は沖縄など南西諸島に限られる。タガメはかつて日本のいたるところにいたのだからリアリティがある。第二に、雄の嗅線から発せられる物質は、果物乃至肉桂の芳香を放ち、「気の巡り」を活発にするといわれる。本当の自分を取り戻す旅立ちにこそその食事はふさわしい。またタガメは父性本能があり孵化するまで子の世話をする。それは生まれ来るわが子の肉体を四十八体の妖怪にばらばらに売り渡した百鬼丸の父へのアンチテーゼともいえないか。敷衍して親族殺しに対する強烈な風刺をも内包する普遍的な重いテーマの予兆と捉えるのは偏りに過ぎようか。