204 ゲンゴロウの会の集い



11月23日に「平成19年度 第16回食を考える集い」に参加した。これは長野県佐久市のゲンゴロウの会が主催する自然食を食べる集まりである。かつて新嘗祭といわれた勤労感謝の日に行われるのが恒例となっている。
長寿県長野のなかでも、佐久市は健康で長生きし、長く病気をしないで亡くなる「ピン・ピン・コロリ」の里として名高い。「昔ながらの食生活が長生きの秘訣」と医師でもある市長三浦大助さんは語る。ゲンゴロウの会は込山惣治郎さんを会長に1996年に結成され、「過食・飽食の時代を見つめ、身近にある貴重な動植物の自然食をもう一度再発見し、健康な高齢者が伝える昔からのふるさと食品加工を学び、自然食の大切さを次世代に伝えよう」という趣旨で活動を続けている。
以前から会の存在は知っていて、ぜひ参加してみたいと思っていたのだが、今回ようやくでかけることができた。会場に足を踏み入れると、市長をはじめ百人を超す参加で、広い会場は熱気にあふれていた。年々参加者が増えているそうで、地域に根ざした活動であることがよくわかる。
毎年ではないとはいえ、冒頭に昆虫供養が行われたのも珍しい。祭壇には「昆虫並小動植物類報恩供養牌」が立てられ、ヘビのむき身などが供えられ、僧侶が魂鎮めの経を読む。この地ではアニミズム(土着信仰)と仏教との融合が住民の共通認識としてまだ存在しているようだ。 参加者の多さは驚きだが、さらに食材の種類の多さにも驚かされる。昆虫・動物31種、山菜・木の実ほか27種、貯蔵酒13種に及ぶ。身の回りの自然がいかに豊かであるかがわかる。以下参考までにその種類を挙げておく。
●昆虫・動物
1 鯉のウロコ 2 シマヘビ 3 マムシ 4 ゲンゴロウ 5 マグロ 6 カマキリ 7 沢ガニ 8 コオロギ 9 イナゴ 10 蚕のサナギ(佐久産) 11 蚕の蛾 12 スズメバチの幼虫・成虫 13 たにしの味噌漬け 14 たにし汁 15 ミミズ 16 せみ 17 せみ親子丼 18 コメ虫 19 牛ガエル 20 カモ 21 ウツボ 22 ボラ 23 地蜂 24 ざざ虫 25 フナ 26 どじょう 27 ハラモ 28 カメの手 29 ニジマス 30 ニジマス生ハム 31 雨ガエル
●山菜・木の実他 1 行者ニンニク 2 ナズナ 3 野沢菜 4 梨 5 ミョウガ 6 雪の下 7 やまゆり 8 ホウズキ 9 カヤの実 10 松の実 11 ヤーコン 12 地コボウ(きのこ) 13 いも汁 14 地豆 15 コンニャク 16 栗 17 トウガン 18 ムカゴ 19 あら煮 20 岩タケ 21 のり菜 22 ネビロ 23 カレー豆 24 はやと瓜 25 おはぎ 26 おにぎり 27 どんぐり
●貯蔵酒 1 マタタビ酒 2 アロエ酒 3 クマンバチ酒 4 イカリソウ酒 5 マムシ酒 6 行者ニンニク酒 7 ニンニク酒 8 薬用ニンニク酒 9 イモリ酒 10 スズムシ酒 11 スズメバチ酒 12 シマヘビ酒 13 コツ酒

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コメント

  1. せつな より:

    ハラモって何ですか?
    スズムシ酒ってすごいですねw
    考えたこともないですよ

  2. せつな より:

    あれ・・・鮪があるってことはハラモ腹身ですか?
    この内容で長野でマグロって繋がらなかったもので。

  3. kokusa5884 より:

    きのこは「地ゴボウ」1種類というのは寂しいですね。地方名なので、こういう言い方もあるかもしれませんが、良く聞くのは「ジコボウ」だと思います。正式には日本名ハナイグチですが。

  4. bugeater より:

    いま会長さんに確認したところ、せつなさんのご指摘通り、マグロは鮪、ハラモは腹身だそうです。なにか別のものをマグロと称しているかと思ったのですが、そうではないようです。天ぷらにしているのですが、普通と違うのは小麦粉にミミズの粉を混ぜていることでしょうか。ミミズは昨年は細かく切ってハンバーグに入れたそうですが、分かってしまって不評だったので、今年は粉にしたらしいです。

    スズムシ酒ですが、今年たくさんもらったので作ったらしく、特別薬効があってではないようです。

  5. bugeater より:

    kokusa5884さんご指摘通り、「地ゴボウ」は「地コボウ」の誤りです。私の入力ミスでした。訂正します。たしかにきのこは少ないですね。

  6. せつな より:

    衣にミミズの粉なんて、もっと想像もしなかったですよw
    かなりウケてしまいました
    ミミズは加熱すると硬くなってしまうのが難なんですよね・・・

  7. 泥まみれ より:

    最近、意外に多忙であまりみる時間がとれないので残念。
    宗教には土地の食文化や食習慣の影響がとてもおほきいことがわかる。
    蚕様の蛹はかういふところにも登場するやうだが、ここ数年で食つた蚕様の
    蛹の量を考へると、俺も蚕様供養ぐらゐはしなければならないだらう。

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