[FABLE/虫食通信/第3回例会/食べる]

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その3 食べる

ナメクジは湯に入れると外側の粘液がタマゴの白身のようになる。酢醤油でたべたが、シコシコした歯触りがあり、大きかったので昆虫と比べ肉質があり食べ応えがある。ナマコと似た感じか。ちょっと苦みがあるが、これは消化液のせいだろう。
クワガタ幼虫はとろっとして甘みがあり美味。
キマワリ幼虫、ガ幼虫、アゲハ幼虫は味にこれといった特徴はない。キマワリ幼虫は特に外皮を噛んでいる感じ。茹でるには不向きのようだ。
キシタバはメスで腹に卵がぎっしりと詰まっていて、噛むとプチプチした歯触りがなんとも美味。子持ちシシャモの揚げたのとよく似ている。他は前回同様エビ煎スナック。
アリ卵、シロアリ卵は土と分離出来ず生食。いずれも無味。
(内山)

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 今回も稲城駅近くの山で食べるための虫たちを採集したのだが、去年のバッタ類と比べて収穫は少なかった。なかなか採れないものである。今回おいしく食べることができたナメクジとクワガタの幼虫ですが、それぞれ2匹と1匹しか採れず、等分にして食べた。大量に食した場合はまた感想が変わってくるかもしれない。
 ナメクジはゆでてポン酢で食べた。ちょっと気持ち悪い気もしたが、まあエスカルゴと同じなのだからと思い食べるとこれが全く違和感のない感じで、例えばなめこだと言っておけば人はわからないのではないだろうか。ただ、食卓でそのままの姿を盛り付ける分には気持ち悪いかもしれない。
 次に蝶か蛾の幼虫、いわゆる青虫を食べたがこれはナメクジ以下だった。前回かまきりを食べたのだが、あの腹部と同じような感じで、何となく苦かったし体液がざらっとしてあまり良くなかった。われわれの世代、青虫といえばつのだじろう先生の「恐怖学級」、いじめられる腹いせに虫を殺していた中学生の弁当が徐々に青虫だらけになっていき、それを食べるうちにやがて自身が青虫になってしまうだろうという話が有名だが、弁当箱一杯に青虫では青虫になりたくてもやりきれないだろう。
 それに比べるとクワガタの幼虫は期待通りだった。昔からカブトムシの幼虫は食用になると本に書かれていたが、青虫とは違ってちっとも苦くなく、むしろ甘味すら感じることができた。噛みごたえもスムーズで、そんなに気持ち悪いものではない。飼育のための成虫クワガタは貴重だが、カブトムシはそうでもないようなので、幼虫を食用として売り出せばちゃんと売れるのではないか。クワガタならもっと高く売れると思うよ。
 次回はいよいよゴキブリに挑戦する予定です。実はゴキブリこそ古来より食用とされているし、個人的にほとんど抵抗がないので楽しみです。
 今まで昆虫を食べてきて、少し抵抗を感じるとするなら、それは昆虫の持つ美しさを感じているからのような気がしました。次回はその辺に注目してみよう。
 (門田)


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[第3回例会]