[FABLE/虫食通信/第10回例会]

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夏は虫料理の旬
豊富な食材で楽しい晩餐
虫食文化研究会第10回例会報告(2001.8.24)

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集まった食材

夏は虫料理の旬といえる。多彩な虫たちが集まった。今回の調理法だが、外側が硬い甲虫類、セミなどはカラ揚げとした。皮の硬いガ幼虫はマリネにした。カタツムリ1匹が手に入った。最近あまり見かけない貴重な食材である。やはり茹でてマリネ。カミキリムシ、カマドウマ、カブトムシなども当会としては初物だった。全体的にこれまでの例会でもっとも充実した試食会となった。

 

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ハナムグリ・ゴキブリ・セミ・カブトムシ・カマドウマ・ムカデ・コガネムシなどのカラ揚げ(ナンとトマト、レタス添え)
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からあげ1

からあげ2


 

1)沸騰した油に虫をいれて揚げる。小さいものはさっと油にくぐらせる程度にしないと焦げ臭くなる。
2)揚がったらよく油を切って軽く塩・コショウをふる。
3)小麦粉を練ってナンを焼き、うすくもろみ味噌を塗り、虫と野菜をトッピングする。
※カラ揚げはなんども経験した調理法である。カラの硬い虫をまるごと食べるに最適な方法といえる。ただし油の汚れが一番の問題だ。
 カブトムシは小型だったが、それでも殻の内側に筋肉が確認でき、その部位は肉の歯ごたえがある。どちらかというと魚肉の味だ。
 カマドウマ、ゴキブリは食べやすい。小型甲虫類もなんとか丸ごと食べられた。
 セミは多少見栄えは悪くなるが羽を先にむしったほうがいいだろう。

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ガ幼虫、カタツムリ、セミ殻のマリネ
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マリネ

1)ガ幼虫、カタツムリ、セミ殻を茹でる。
2)トマト、タマネギといっしょに、マリネ液に10分以上漬ける。
3)冷蔵庫で冷やす。
※マリネ液に漬けることで、ガ幼虫の皮、セミ殻がやわらかく食べられた。カタツムリは文句なく美味しい。

 

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カミキリムシ成虫のホイル焼き
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カミキリ

「週刊金曜日」に本多勝一氏が書いていた方法でやってみよう、ということになった。氏の方法は頭をちぎって囲炉裏の熱い灰の中にさし、香ばしい匂いがしてきたら、鞘ハネをさじ代わりにしてクリーム状の中身をすくって食べる、というもの。いまどき囲炉裏がないので、ホイルに包んでオーブンで焼く、という方法をとった。中身はクリーム状ではなかったが、なかなか肉厚で食べがいがあり、これまで食べた中では最高においしかった。中身のクリームは取れたてならではの特権だろう。幼虫はさらに美味いそうだが、入手が難しい。

 

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セミ殻茶
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セミ殻を煮出して飲む。無味無臭なのでウーロン茶などで割ってもいい。アレルギー体質の人にお勧めの健康茶。

 

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虫を食べる人々

虫を食べる人々02

さあ、もうじき食えるゾ。もりつけも料理のうち。45度を俯瞰して、色彩バランスも考えて、なかなかこれも難しい。さ、なんとかできた。

虫を食べる人々02

これ、なんの味かな〜 ……

虫を食べる人々01

おいし〜い!? 初参加のAさん。動物園勤務だけあって、ムシに対する偏見がない。種類ごとにじっくりとそれぞれのムシの味を味わってくれた。試食会には欠かせない人だ。次回はムシ焼き煎餅を作ったら、と提案。煎餅は長年の夢だけに、心強い限りだ。

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[虫食通信]