
虫は究極の自然食品
食の原点を求めて
虫食文化研究会第11回例会報告(2001.10.26)

今回も新たな食材が加わって実りある試食会になりました。
昨今の狂牛病騒ぎを思うにつけても、食文化の原点を探ろうという当会の目的は、そうした世界規模で大量流通・大量消費される現代の食材のあり方に一石を投ずるものと期待されます。
『粗食のすすめ』がベストセラーになるなど、消費者側にも、戦後著しく欧米化した食事内容を反省し、日本人にあった日本人の伝統食を見直す機運が高まりつつあります。
人類の祖先は昆虫食でした。つい昨日まで日本は穀物と野菜が主で、虫を食べる文化も生きていました。日本人にとって今日のような肉の常食はむしろ異常な事態と考えるべきでしょう。
今年は虫をおいしく食べる工夫をしてきました。これからも一人でも多く虫を食べる楽しさを味わっていただけるよう活動を発展させていきたいと思っています。
来年の夢はエビ煎にならい「虫焼き煎餅」を焼くことですが、加えて市販の野菜に替わる野草の利用も研究したいと思っています。

ミールワーム入りスコーン

(1)ミールワームを軽く炒る
(2)スコーンの生地を作る
(3)粉を混ぜ合わせるときにミールワームをいれて混ぜる
(4)オーブンで焼く
(5)ミニトマト、サラダ菜などを添える
(コメント)スコーンのソフトな食感に、炒ったミールワームのパリっとした歯触りがアクセントになる。表面にのせたミールワームが焼くといろいろに形を変えるので視覚的にも楽しい。今回は焼きすぎて少し焦げ目がついてしまった。焼き加減は粉の量で判断したい。小麦粉200gで約10分が目安か。

桜毛虫入りミートソース

(1)炒った桜毛虫をミートソースにまぜて温める
(2)茹でたスパゲッティーにかける
(コメント)内山の家の近くに桜並木がある。春は家でお花見ができる。今年の夏その桜の木から5cmほどの毛虫が次々と這い降りてきた。数え切れないほどの集団移動で、車にひかれたり人に踏まれたりして道路の色が変わるほどだった。こんなにも桜に虫がいたのかと驚いた。千載一遇のチャンスとばかりに毛虫を採集、冷凍保存した。種名を調べたが不明である。モンクロシャチホコか。お分かりの方、教えてください。
今回この桜毛虫を使った。予想ではもっとくしゃっとした感じかと思っていたが、ぱりっとした歯触りが心地よい。炒ったのがよかったのかもしれない。皮つきの細いソーセージといったところか。嫌みな感じがない。これはけっこういける。

アボガドのマヨネーズあえディップ (ミールワームかけ)

(1)アボガドをつぶしてマヨネーズであえる
(2)スライスしたフランスパンにのせる
(3)炒ったミールワームをぱらぱらかける
(コメント)なによりアボガドの色がさわやかだ。食欲をそそる。ミールワームはやはりアクセントとして最適。たくさんかけてパリパリ食べる醍醐味は格別。

ハナムグリのから炒り

(1)炒ったハナムグリに軽く塩・コショウをふる
(コメント)鞘羽や皮は硬いし、割っても肉がわずかで、このままでは食用に向かない。鞘羽や皮を柔らかくする工夫がいる。前回はマリネーでなんとか食べられた。ハナムグリは夏場いくらでもとれるから研究に値する。

会員募集
現代のかたよった単調な食材に疑問を感じ、あらたな食材に挑戦したいという冒険心を持った人の参加を歓迎します。試食会にぜひご参加ください。
ご意見・ご感想など、お気軽にメールでお寄せください。

[虫食通信]
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