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◎蝗(いなご)
螽(いなご)・稲子(いなご)・蝗捕(いなごと)り・蝗串(いなごぐし) 【解説】 直翅目の昆虫で、ばったより小さく、体長三センチくらい。緑色で翅は淡褐色。後肢がよく発達していて、よくとぶ。鳴かない。田圃や草原にいて、稲の害虫である。このためもあって「いなご捕り」がおこなわれるが、炒ってつけ焼きにしたり、佃煮にして食べても美味だし、脂肪が多いので工業用にも用いられる。[金子兜太〕
鴫網の目にもたまらぬ螽かな 史邦
◎蜂の仔(はちのこ)
地蜂焼(じばちやき)・蜂の子飯(はちのこめし) 【解説】 地中に巣をつくる地蜂の子すなわち幼虫である。十月頃、地中に手製の火薬などをしかけて、巣を取り出し幼虫をとる。それを炒ったり、甘露煮や蜂の子飯にして食べる。信州の名物で、缶詰にして売られている。〔滝沢伊代次〕
高原の水禍をよそに地蜂焼 飯田蛇笏 *『日本たべもの歳時記』(講談社+α文庫、1998年刊)より抜粋
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