ほんとうだろうか。『不味い!』(新潮社、2003年)で著者の小泉武夫さんは、「これまで食べた中で美味だった虫の第一位がカブト虫の幼虫、第二位が日本のイナゴ、第三位も日本の蜂の子、第四位が中国の竹虫、第五位がカンボジアの赤蟻」と書いている。いくらなんでも第一位がカブト虫の幼虫とはにわかに信じがたい。「カブト虫の幼虫と蜂の子はただほうろくでコロコロと塩炒りしただけでも驚くほど美味しかった」という。わたしなどにとってはカブト虫の幼虫は腐葉土臭が強烈でお世辞にも美味いとは言い難い代物である。小泉さんはそれをトップにおいている。ただこのカブト虫は第二位以下と違って国産なのか外国産なのか国籍不明である。もしかしたら外国産で特別美味いカブト虫幼虫がいるのかもしれない。出身を明らかにしてほしかった。
小泉さんは不味い虫として、クサギカメムシ(異様な臭気)、カイコ蛹(特有の臭み)、セミ成虫(異様な匂い)をあげている。さらにミャンマーで食べたゴホンツノカブト成虫の不味さにもふれている。「土臭いような、枯れた葉のような異様な臭みがしてきて実に不味」かったそうである。ところがこれはわたしの味覚ではカブト虫幼虫の不味さにそっくりそのまま使える表現になる。わたしなどカブト虫幼虫の不味さに比べたらカイコ蛹の臭みなどまったく苦にならないし、カブト虫成虫の胸肉はむしろ美味いとすら感じる。
ことほどさように、味覚や臭覚は十人十色であり、虫食の好みも多様で深い。“蓼食う虫も好き好き”ならぬ“カブト虫食う人も好き好き”である。
コメント
以前もかぶと虫の幼虫はマズイと書かれてましたね。
しかし昔の教科書だか図鑑だかには「食料になる」と書かれていた覚えがあります。成虫は人気者なので次回、みなさんに検証してもらいましょう!
小泉さんの場合は現在進行形で常食とされている地域のものが中心だと思うので、そのカブトムシというのはやはり外国産だと思うのです。
TVでよくカブトムシの幼虫といって原住民なんかが食べてるシーンでは倒木叩き割って採ってるのをよく見ましたし。
しかもその倒木はどう見てもまだ鮮やかな色をしていて、色味的にはクワガタの幼虫寄りなのではないかと思います。
クワガタの幼虫でも人工エサで養殖したものは腐葉土臭に近いような臭気を孕むようなので、やはりエサ起源なのではないかと。
外国でカブトムシの幼虫扱いされてるのを見てると、どう見てもゾウムシかハナムグリの仲間の幼虫じゃないかと思うものもありますね。
いずれにせよ臭気はエサ起源だと思ってます。
それってやっぱりカブトムシじゃなくてヤシオオオサゾウムシあたりだと思いますよ。
ゾウムシだって甲虫の一種ですから、小泉さんはこれを「かぶとむし」と解釈してしまったのではないでしょうか。
小泉さんは発酵食品は得意ですけど、昆虫はお得意ではないのかも。
だって、本当にカブトムシの幼虫は不味い!と思いますもの。
味覚は人それぞれなので、私の味覚を元にするのもなんですが、
あの不味さは超ど級だと思います。、
美味い不味いを問わず大抵の物は完食してしまうこの私でさえ、
空揚げを揚げてる最中もその臭気で吐きそうになったし、
出来上がりも、幼虫は半分、蛹は1/3も食べることができなかったし、
揚げ油も臭いが移って使い物にならなくなって・・・
ヤシオオオサゾウムシが九州に上陸したらしいので、
ぜひそちらを試したいと思う今日この頃です。
…せめて虫の形だけは残さないでほしい。動物が食えるなら虫も食えるとかそれもありですけど、長年日本に虫を食べるとかそうゆうのは少なく、虫を食べるというイメージも全く浮かばない時代ですから、見てたらウッ!っときます。虫の形を残さなかったら食べる人は増えると思いますが…。外の世界から見ていると、ゴキブリとかイモムシみたいなのを食べるのが、なんかス●トロみたいで怖ろしく感じてしまいます。
言い忘れましたが
「食事は五感で楽しむもの」です。
見た目も良くないと…。
加藤さん、佃煮の味はお好きでしょうか。「百見は一食に如かず」(何度も見るより、一度実際に自分で食べてみる方がまさる)といいませんか。イナゴの佃煮を一度食べてごらんになることをおすすめします。ごくごく普通の佃煮の味です。イナゴの佃煮は稲作とともに育まれた日本の伝統食です。蜂の子の佃煮も同じ事がいえます。蜂追いは秋の厳しい農作業の合間をぬって行われる楽しみであり、ストレス解消であり、しかも収穫物である蜂の子は栄養豊富で明日への活力源となるのです。こうした日本人の暮らしとともにあった多彩な昆虫食文化を守りはぐくみ、次世代に継承していくことも当会の目的のひとつと考えています。
虫の形を残さないとすると、小さすぎて切り身にすることもできないので、粉にするしかありません。栄養面からだけ考えればパンに混ぜて焼いたりすればいいでしょう。でもおっしゃる通り「食事は五感で楽しむもの」ですから、むしろわたしたちは虫の正体が分かっていた方が想像力をかき立てられるのです。とりわけ新しい虫を食べるときは、これはいったいどんな食感でどんな味がするだろうと想像し、五感を総動員して食べることに集中します。これぞ昆虫食の醍醐味だとわたしたちは思っています。
最近はそうでもなくなってきてるけど、日本の活造りが非難されるような話もありましたが、それと同じようなレベルの話かと思いますね。
また、虫を美味しく食べる人に形を残すなと言うのは、カニを食べるのにカニ缶で我慢しろといってるようなものです。
私はそう思うんですが、どうでしょう?
せつなさんのおっしゃる通りです。昆虫は例外もありますが、だいたいはかなり似通った味です。ですから視覚的な要素もおいしさには重要です。セミの幼虫はエビとほとんど似た味なので、形がないとセミだがエビだかわからなくなりそうです。やはりセミを見ながら食べるとセミの味がするものです。
bugさんはなんて心優しいお方なんでしょうか^^
だから僕は大好きです。
僕より教育者に向いているかも^^
加藤さんのコメントを読むと、
僕は教育の限界や無能さを感じます。
加藤さんのような方に罪はありません。
似たような意見をお持ちの方がいらっしゃることも重々承知しております。
でも、僕は頑張ります。
固定観念を取り払うことと、
本質を捉えることに重点を置いて指導していきます。
もちろん、歴史を辿る事も忘れずに・・・。
bugさんのコメントが間に入らなければ、
僕は加藤さんに対して、
かなり辛辣な意見を書いてしまったかもしれません。
せつなさん、なかなかお会いできませんね^^
今時こちらはワカサギの穴釣りに夢中です。
経験はおありですか?
三十年以上前のベストセラー「冒険手帳」には、焚火に放り込んで焼いて喰う旨の記載がありました。旨い、とも
ともかく、腹の中に貯めてる糞の量が半端じゃないので、その事を考慮した調理法を取る必要があるかと
「冒険手帖」は読んだことがありません。ですが単にたき火で焼いただけであの激しい臭気が消えるとも思えません。けっこうなんでも食べられる私ですが、さすがにカブトの幼虫は難物です。
外見がどうあらうといいぢやないか。うまければいいぢやないか。
俺はポンテキ(蚕様の蛹)をいつも食つてゐる。外見は明らかに虫だ。
不愉快に思ふ人もおほいだらう。みるのも嫌がる人もおほいだらう。
なぜこんなものを食ふか。簡単だ。うまいからだ。
ところでまもなく梅雨が明ける。梅雨が明ければ暑い夏だ。
暑い夏といへば、熱いポンテキで生ビールだ。
ポンテキを丼に山盛りにし、蓮華でワイルドに食ふのだ。
泥まみれさん
本当にお好きなんですね。でも「蚕蛹3個で鶏卵2個分の栄養がある」といわれていますから、ほどほどをお勧めします。
ほんたうですか。でも罐詰1個ぐらゐぺろりでせう。
蛹が何個あるんでせうかね。30個はあるでせう。
とすれば卵を20個食つたことになるー。
恐ろしいことだ。
だが幸か不幸か、いま手持ちがないので、しばらく休みます。
俺はこの板の一連のかきこを知らなかつたが、
自分が普段食ふ習慣のない食材を毛嫌ひして、単純に排除する態度は
好きぢやないね。俺にしては珍しくまともな意見だな。ふっふっふ。
ポンテキ万歳。