【再掲】オオゴキブリの採集と試食(初出:2007年2月19日)


オオゴキブリとの出会いを求め有志4名が某日某所へ向かった。オオゴキブリはその名の示す通り本邦最大級のゴキブリである。
「オオゴキブリ(Panesthia angustipennis spadica)体長40〜45mm。メスは前胸背前縁のくぼみが浅い。暖帯林の中で太い朽木の木質部を食い、皮下や材中に成虫・幼虫が群居する。胎生。消化管には原虫が共生して消化に役立っている。幼虫・成虫ともに越冬し、高温期には成虫が朽木の外にあらわれることがある。日本南部に分布し、分布域は照葉樹林帯とほぼ一致し、北限は太平洋岸で宮城県、日本海岸で新潟県だが、津軽十三湖でブナの朽木から得られている。隠岐島・対馬・屋久島からも知られる。台湾や中国からも記録がある。」(保育社『原色日本昆虫図鑑』より)

本種は主に立ち枯れや倒れた樹木の内部に生息し、朽ちた木質部を餌としている。したがって整然とした人工林にはあまり見られない。立ち枯れた松を探し、外皮を剥がし、内側に潜むオオゴキブリを探す。必然か幸運か、一本の朽ちた松から成虫・幼虫合わせて相当数が採集できた。

さっそく試食に移る。調理は屋外で簡単にできて衛生的にもクリアできる素揚げにする。本種は全身が黒いのだが、熱した油に入れると縮んでいた表皮がパンパンに伸びて膨れる。そのため腹部は表皮の裏側の白い部分が露出して横縞模様となる。揚げたてをサクサクいただく。冬場で未消化物がないせいか臭みもまったくない。揚げたてなので羽や脚も丸ごと食べられるが、気になる場合は取り去るとさらに食べやすくなる。初物を試食でき、たとえようもない幸せなひとときを過ごすことができた。
成虫数頭を含むファミリーを持ち帰り、繁殖を試みることにした。中野のむし社に寄って飼育法をたずねる。オオゴキブリを飼育中という店の人に相談し、以下の資材を購入した。要するにクワガタ飼育と同じものである。
菌床発酵マット10リットル
オオヒラタケ菌床600cc
産卵木(ナラ材)

これでわが家で飼育中のゴキブリは三種類になった。はたして順調に生育してくれるだろうか。

お知らせ
昆虫食イベントに参加しよう!
昆虫料理研究会では、阿佐ヶ谷と高田馬場でそれぞれ月に一度、昆虫料理の試食体験会を開催しています。お気軽にご参加ください。
昆虫食自然
昆虫食を楽しもう! | 内山昭一が主宰する昆虫料理研究会

コメント

  1. よもぎた より:

    すごい!!
    こんなに大漁だなんて・・・!!?
    しかも、マイマイカブリ(ヒメ?)をはるかにしのぐ大きさ!
    裏山の椎の木です。

    私の方は、ただいまそばパーティーが終了いたしました。
    が、
    やはり、虫パウダー混入は無理でした。
    匂いだけ嗅がせましたが、拒否反応のが強く・・・
    断念いたしました。

    でも、こちらの仲間が野生人が多いらしく、
    イナゴパウダーは「草原の香りが・・・」
    サナギパウダーは「釣り餌の香りが・・・」
    と、的確に言い当ててました。
    素質はあるようです。

  2. gigi より:

    オオゴキブリですか~こんなに沢山、羨ましいですw
    前よく友人と奥多摩へ行って採集していました。
    コイツラも丈夫で繁殖も比較的楽ですよ。

  3. bugeater より:

    よもぎたさん、そばパーティーお疲れさま。予想してはいましたがやっぱり抵抗があるようですね。もしかしてイナゴはいいのではと淡い期待を抱いていたのですが。残念。

  4. bugeater より:

    専門家のgigiさんに羨ましがられて光栄です。「丈夫で繁殖も比較的楽」とのことですが、私の場合初体験ですからどうなることか。増やしてみなさんに食べて貰いたい一心で頑張ります。またアドバイスをよろしくお願いします。

  5. gigi より:

    いえいえ専門家なんておおそれたものではありませんよw
    マニアな人に比べたらほんの序の口です。
    飼育頑張ってくださいね。

  6. hito より:

    おれは食べないけど。

  7. なぎさ より:

    バーロー死ぬぞ

  8. バナコロ より:

    ンーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

  9. ベップからきますた より:

    これはひどい

  10. 俺なら気絶するぞw より:

    こんなキモイのありえねぇwwwwwwwwwwwww

  11. まさ より:

    マイマイは良いですねぇww
    オオゴキは飼育は楽ですが、成長はどうも遅いように感じます。
    室温飼育だからなのかもしれませんが・・・。

  12. bugeater より:

    まささん オオゴキは地中にもぐっていることが多くて、観察がほとんどできないのが残念です。マダゴキなどはその点子供が産まれてもすぐ分かり、飼育が楽しくなります。

  13. bugeater より:

    オオゴキは観察がほとんど出来ないと書いたら、今日は地表に出て活発に歩き回る固体がけっこういました。やはり気温が上がったせいでしょうか。

  14. まさ より:

    オオゴキはある程度大きくなるまでは成虫の糞食べて生きてますから
    地表にほとんど出ませんが、成虫や終令幼虫は
    表面に出てくることも多々あります。
    チビがでてきたら環境が悪くなっているんだと思います。

    上に果物や熱帯魚の餌なんかを置いておくとたまに食べてますよ。

  15. bugeater より:

    成虫の糞を食べているとは知りませんでした。類推するに、哺乳類で例えると母乳のような役割を果たすのでしょうか。免疫力をつけるとか、体内菌を受け継ぐとか。あるいは繊維質なので親が噛んで与えるのと同じで、成虫の糞のほうが幼虫にとっては消化がいいとかいうことなのかもしれませんね。

  16. アリストテレス より:

    都会に生きてるゴキブリは食べても大丈夫なんですか?
    例えばこんなのとか
    http://www.youtube.com/watch?v=uhWPHIsaUfU

タイトルとURLをコピーしました