ジャンフィリップ・パイヤール:株式会社KIBO代表
株式会社KIBOの創立者。2011年より食用昆虫産業に携わり、2013年には、フランス食用昆虫生産者連盟の副会長に就任。欧州議会における食用昆虫認可問題のコーディネーターとして、日々、安全な食用昆虫を流通させるための法整備の重要性を訴えている。
「ヨーロッパ昆虫食事情」
EU圏内では、現在のところ、昆虫を食用・飼料用に商業流通させて良いという規則が存在しません。1997年までにヨーロッパで主要な食材として食された歴史と痕跡が認められた食材だけが載るリストを「ポジティブリスト」といい、EU圏内で認可されている食品のすべてがこのリストに掲載されています。昆虫は当然含まれていません。1997年以降の新食品は「ヌーベルフード」申請を行い、認可をえて初めて正式にEU圏内での販売が可能になります。現在申請中で2017年には「ヌーベルフード」として認可される可能性がでてきました。ベルギーはすでに国が認可し、スイスは2016年1月解禁の予定です。いまや昆虫食は漠然とした「地球を救う未来食」ではなく、「あたらしい食材」「あたらしい一つの可能性」として具体化する段階に入ったといえるでしょう。