678 『徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか』

稲垣本

まったく無縁と思える武士と植物だが、実は武士にこそ植物学者が多数存在したという。武士の起源は農民なのだから、彼らが植物に造詣が深いのは当然といえばいえる。戦国から江戸にかけて登場する武士と植物の関係をエピソードを交えながら綴ったのが本書。

この本は昆虫食の本ではない。しかし昆虫と植物は切っても切れない関係にある。昆虫食の幅を広げるには植物のことを知るのが大事だ。私自身知らなかったことも多く、見出しも興味深く短くまとまっていてとても読みやすい。おススメの一冊。

たとえばいまは桜の時期だが、「さくら」の「さ」は田の神を意味し、「くら」は山からやってくる神の憑く依代(よりしろ)の意味。これが今に続く花見の起源なのだという。桜の開花は農民にとって仕事始めの合図なのだ。

ちょうどこの時期カマキリが孵化するころでもある。冬場に採集して軒下に吊るしておいた卵鞘を部屋に取り込み、小分けに袋詰めして壁にピンで留める作業がある。私の昆虫食にとっても桜の開花は「仕事始め」なのだ。

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